特別受益とは?│一部の相続人だけが特別に受け取った利益のことです

相続

ななちゃん「友だちのとこお父さんが亡くなってんて」

スズ「そうなんや」

ななちゃん「友だちにはお姉さんとお兄さんがいるねん」

スズ「3人きょうだいなんやね」

ななちゃん「お父さんの資産、3人で分けるらしい」

スズ「うん」

ななちゃん「でさ、お兄さん、昔家買うときにお父さんにお金出してもらっててんて」

スズ「そうなんや」

ななちゃん「あとの二人が『兄ちゃんだけずるい』って言ってるらしい」

今日は、「特別受益」の知識をひとつ+(プラス)していきましょう

ななちゃんの友だちのお父さんが亡くなったようですね。

相続人は子供たち3人。
お父さんが持っていたお金は、
基本的には子供たち3人で均等に分けることになります。


でも、どうやら
お兄さんだけが家を建てるときに
お父さんからお金をもらっていたということです。


残りのきょうだいは「お兄ちゃんだけずるい。不公平だわ」と言っているようですね。


こんな場合、
どのような解決方法があるのか見ていきましょう。


ここでは
亡くなったお父さんのことをAさんとします。


Aさんが残した資産は4000万円。

基本的には
4000万円を3人で均等に分けますが、
長男だけ、以前Aさんからお金をもらっていました。

15年前、長男が家を建てるときに
Aさんは500万円の資金を援助してあげていたんですね。


要するに、
長男だけが特別に
Aさんから500万円を受け取っていたということになります。


この500万円のことを
特別受益
と言います。

特別受益とは、
この言葉通り
一部の相続人だけが特別に受け取った利益
という意味です。


この場合、
長女と次女は何も受け取っていないのに
長男だけが特別に500万円という利益を受け取ったので
500万円が特別受益になります。


さて、
Aさんの相続人の場合
この特別受益の500万円を
Aさんが残した4000万円に加えて

4500万円を3人で分けるということができます。


4500万円を3人で分けると
1人1500万円ですね。

長女と次女は
1500万円ずつ受け取りますが、

長男が受け取るのは1000万円だけ。
あとの500万円は
「先にもらっていた」ということになります。


このように、
昔受け取った特別受益を
相続財産に戻して加算することを
特別受益の持ち戻し
と言います。

特別受益の持ち戻しには時効はありません
相当以前のものであっても、持ち戻すことが可能です。



ななちゃん「お姉ちゃんだけさらの自転車買ってもらった、とか?」
スズ「それはちゃうんちゃう?(笑)」



今日は、「特別受益」の知識をひとつ+(プラス)しました。
来週は、「選択制企業年金」の知識をひとつ+(プラス)していきましょう。



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