ななちゃん「会社の人、お父さんが亡くなってんて」
スズ「そうなんや」
ななちゃん「今まで、家族の生活費はお父さんの口座から出しててんて」
スズ「うん」
ななちゃん「お父さん亡くなっちゃって、銀行からお金出せなくなっちゃったって」
今日は、「預貯金の相続手続き」の知識をひとつ+(プラス)していきましょう
ななちゃんの同僚のお父さんが亡くなったようです。
この方をAさんとしましょう。
Aさんが亡くなって、
家族はAさんの銀行口座からお金が引き出せなくなってしまいました。
これは、
相続人の誰かが勝手に使ってしまうのを防ぐための仕組みですが、
葬儀費用や当面の生活費が必要な家族にとっては
大きな負担となります。
そこで、
平成30年に新しく導入されたのが
「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」です。
この制度を利用すると、
家庭裁判所の判断を待たなくても
相続人は一定の範囲で金融機関からお金を引き出すことができます。
引き出せる金額は
口座残高 × 1/3 × 相続人の法定相続分
で計算されます。
ただし、
1つの金融機関あたり150万円までという上限があります。
たとえば、
口座残高が600万円
相続人がAさんの妻と子ども1人(それぞれ1/2の法定相続分)の場合、
妻は
600万円 × 1/3 × 1/2 = 100万円
を引き出せます。
仮に計算上200万円となっても、
上限があるため150万円までしか引き出せません。
注意したいのは、
この制度を使うにも銀行への書類提出が必要という点です。
一般的には、
Aさんの出生から死亡までの戸籍謄本、
相続人全員の戸籍や印鑑証明書などの書類が必要です。
金融機関ごとに違いがあるため、
事前に確認することが大切です。
さて、
この払戻しはあくまで「仮払い」です。
引き出したお金も相続財産に含まれるため、
後の遺産分割協議で調整されます。
また、
この制度を使った場合は
相続放棄が難しくなる可能性があることには注意が必要です。
ななちゃん「めんどくさ」
スズ「(笑)」
今日は、「預貯金の相続手続き」の知識をひとつ+(プラス)しました。
明日は、「生命保険の見直しが必要な時」の知識をひとつ+(プラス)していきましょう。
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